まずはビールをご紹介!
☆This is PiL(ディス イズ ピル)
Style:Hybrid Amber Lager
ABV:4.3%
IBU:22
ちょっと長くなりますが、このビールを造るにあたっての経緯をお伝えしたいと思います。
まず、僕たちが造りたかったのはどんなお客様が来られても「当店に来たらまずはこの一杯!」というような名刺がわりになるようなビールでした。
例えばアイリッシュレッドエールやイングリッシュビター、スコティッシュエールのような低アルコールでずっと飲み続けられるような「日常的にそこにあるビール達」です。
英国圏のパブだったらそのスタイルそのままでも良いのですが、やはり日本でお店をやっている以上、老若男女・ビールに詳しくない人でも馴染みがあって何となく知っている「ラガー」を良い意味で利用させてもらうことにしました。
もちろんそこには自分たちらしさを盛り込みます。
1.前途の英国圏の「日常的にそこにあるビール達」を日本人に最も馴染み深いラガーというスタイルで。
2.ABV4%台の低アルコール。
3.伝統的・革新的・日本的。
4.色は当店の壁の色と同じ赤。
これらをまとめて「自分たちのルーツ的なビールの一つ「アイリッシュレッドエール」のラガー版(ハイブリッドスタイル)というイメージでビール造りを進めていくことにしました。
このビールを造るにあたって最も重要な人物が反射炉ビヤの阿久沢さん。
実は2年ほど前からこのビールに関して相談に乗ってくれました。
幾度となくあーでもないこーでもないと朝まで飲みながら話してきました(笑)。
途中、サンプルを送っていただきこちらで飲んでまた要望を伝えて、またお会いしてミーティングしてを何度も繰り返して..。ようやく今年4月末に仕込みに漕ぎつけました。
仕込み風景も交えながらビールの説明をしたいと思います。
まずはモルト。
このビールを造るにあたって一番難しかったのが「クリアな赤」を表現すること。
サンプルの時点では暗すぎたり濁りだったりでなかなか理想の色には近づけませんでした。
しかしビール業界は常に進化します。この2年の間に一発でこの難題を解決する素晴らしいモルトが誕生しました。
ドイツ産麦芽「Red-X」です。
以前、反射炉さんからリリースされたSMaSH Red-XやStoneのPataskala Red-X IPA等々、今や世界中で赤いビールを造るには欠かせない人気モルトです。
シングルモルトでも良いのですが、更に複雑でクリアな感じを出すためにこのRed-Xを軸に全体的な味わいのバランス調整のためにライトミュニックとクリスタルミディアムを英国のモルティ感が表現できる様にブレンドして使用しました。
次にホップ。
昨今のアメリカンスタイルの様にあまりホップ感が前面に出ると自分たちの理想とするバランスが崩れるし、ホップが前面に出すぎると最初はインパクトがあってわかりやすいのですが、後からだんだん飲み疲れてくることもあります。今回のビールはそれを踏まえてあくまで穏やかに「良い意味でホップを主役にしない」事を心がけました。
という事で悩んだ末にセレクトしたのは全てニュージーランド産ホップ。
尖り過ぎないまろやかで甘美な香りと苦みがこのビールの味わいにマッチするだろうという事でビタリングホップにワイメアとモトゥエカ、アロマホップにネルソンソーヴィンを使用しました。
しっかり時間と量を計測して投入します。
最後に酵母。
反射炉さんで唯一使われているラガー酵母「カリフォルニアラガーイースト」を使用しました。いわゆるアンカースチーム等のハイブリッドスタイルに使用されるものなので今回のこのビールのスタイルにもピッタリです。
通常は低温発酵させるラガー酵母ですが、今回は高温発酵させます。
これによりエールの様な豊かな風味とラガーの様なキレが同時に表現できます。
大事な大事な酵母ちゃんを最後に投入!
それから数週間後完成したのがこちらの「This is PiL(ディス イズ ピル)」です。
名前の由来はPiL=Paddy’s Irish Lager
Pil=薬ですが、良い意味でも悪い意味でもクラフトビールが好きな方々への処方箋という意味もあります。
(そしてもちろん僕たちの音楽的趣向を知っている方ならご存知Public Image Limitedのアルバムタイトル「This is PiL」にも因んでいます)
今回のビールのためにグラスも新調。
現在、英国でも(所謂)クラフトビールを扱っているパブでは主流となりつつある「2/3パイントグラス」を採用しました。
ちょうどU.K HarfとU.K Pintの中間サイズです。
グビグビっとある程度の量を飲めますし、次のビール(おかわりでも違う種類でも)にも繋げられる絶妙な量です。
ビアスタイル・原材料・ネーミング・グラスに至るまで全てにおいてビール界のクラシックとトレンドを含めて拘りました。
でも、味わいはあくまで親しみやすく飲み手を選ばないものに仕上がっています。
もちろんこれにとどまらず今後更に進化していく予定です。
現時点で誤解を恐れずにいうと「めちゃくちゃうまい普段使いのビール」です。
そしてこのビールはあくまで「ハウスビール」です。
限定醸造ではなく基本的には常に飲める様にしていきたいと思います。
なので、全然意気込んで来なくて大丈夫ですよ(笑)。
いつも通りにフラッと立ち寄って気軽に飲んでください。
今後ともこちらの「This is PiL」をよろしくお願い致します!
最後にブルワーの阿久沢さん曰く..
「阿久沢的にはThis is PiLは3人で作ったと思っております。伝統的・革新的・日本的とかキーワードは色々あるけど、要するにPADDYさんの空間で飲んで一番うまいビールかなあ」との事です。
嬉しいコメントありがとうございます!
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